㈱新生銀行(以下 新生銀行)のTOBに関する動きについて、書いてみたいと思います。
TOBを発表したSBIホールディングス㈱(以下 SBIHD)は、元はソフトバンク㈱の系列会社として設立しましたが、その傘下でネット中心に事業を行う会社を設立・集約、及びネット証券事業の運営・独立、さらにソフトバンクの保有株売却を経て2006年8月に独立した企業です。
新生銀行は、旧来あった日本長期信用銀行の破綻ののちに設立された銀行です。破綻処理については、相当な公的資金投入や米国ファンドの行為が批判されております。そのあたりをモデルとした経済小説を読んでいましたが、しっかりと喰われた、との表現がありましたね…
→下記(Wikipedia)に記載がありますので、興味のある方はどうぞ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E7%94%9F%E9%8A%80%E8%A1%8C )
今回のTOB価格は2,000円で、期間は10/25まで、となっております。
公的資金の未返済額はおおよそ3,490億円で、株価が7,450円となれば国家機関(預金保険機構、整理回収機構)が取得している株の売却により返済しうる額になる、との記事がありました。(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210917/k10013264471000.html)
…ソフトバンク系であれば、国側と相対で進めているものもあるのでは…とも思っていたのですが、その金額で取得するなら市場から買い集める方が合理的ですね。
SBIHDとの関係性について触れられた記事もあり、今年1月にあったマネックス証券との業務提携が関係性を悪化させたことが発端となり、SBI HD側が取り込みを進める意思決定を行ったように見えます。地銀連合を組成しているSBIHDとしては早かれ遅かれその主体銀行として取り込みたい…との意図はあった様子も感じられます。
発表翌日(9/10)の市場ではストップ高。週明け9/13に2,010円で寄り付きましたがその後は下落。9/22(水)は1,896円で引けました。
ちなみに私も「これも経験!」と思い、株購入に参戦しましたが…下記の悲しい結果となりました。
・9/10(金)終値で約定できず
・9/13(月)成行で発注→始値で2,030円約定と失敗…
振り返り、となりますが、TOB価格以下で発注するのが常識だったですね…
新生銀行はセブン&アイ・ホールディングスやソニーグループなど、ホワイトナイト(友好的スポンサー)を探している、との報道もあります。ただ、これらの企業がSBI以上の評価(=株価)を見出せるかは難しいかもしれません。ネット銀行と実店舗を持つ銀行の化学変化を描けるか(絵を持ち込めるか)が焦点になります。
また、買収防衛策(ポイズン・ピル)の整備も行う、とありました。東芝機械v.s投資ファンド(旧村上ファンド関与)の際には機能したようですが…後出しのようにしか見えませんが、果たしてそのようなことが本当に良いものなのでしょうか。
関西スーパーと同様に、今しばらく続報を追ってみたいと思います。
コメント