TOBの動きについて(㈱関西スーパー)

先週頭から今週末にかけて、㈱関西スーパー(以下 関西スーパー)及び㈱新生銀行へのTOB報道があり、株価が大きく動いております。
学びの一つとしまして、関西スーパーの件について一度整理をしてみようと思います。
(素人の資料読みが多分にありますので…間違っていたらごめんなさい。)

関西スーパーの件は、以下の経過となっており、エイチ・ツー・オーリテイリング(以下 H2O)とオーケー㈱(以下 オーケー)とのプロキシーファイト(決議権争奪戦)に発展する可能性があります。
・関西スーパーが21年6月以降、オーケーから株取得についての提案を受ける
 →H2Oリテイリングから提案を受け、8月31日に経営統合発表
  →オーケーが9/3にTOBを2,250円/株で発表(9/10終値で2,160円)

H2O及びオーケー㈱のプレスリリースから経緯・スキームについて抜粋してみます。
事業性等については…業界にかかわったことが無いので割愛します。

◎H2O
・H2Oは関西スーパーを孫会社化し、イズミヤ、阪急オアシスも同様とする
・その中間子会社として持株会社を作る
・持株会社の株式をH2O(58%)と、それ以外の株主(42%)とで分け合う

◎オーケー
・21年6月~8月に提案(当初は上場継続前提の連結子会社化、以後に完全子会社化)を行う。
 →2016年に「関係構築のため」株式を取得したが、具体的な資本業務提携の協議にまで至らなかった旨も記載
 6月の時点で2,250円/株の公開買付価格も伝えている。
・8/23に提案撤回を求められるが断り、26に面談を行う。
・H2Oのスキームでは少数株主の希薄化が起こる

H2OのTOB後では、株主の決議権が実質的には無いようにも見られます。
成長性可能性的にも、ドミナント構築より関西参入による経営資本投下の方が優勢であるとも考えられます。
私の感覚的に少数株主の視点から考えると、短期視点ではオーケー㈱の提案が有利にも映り、既存の株主は価格を見てオーケーに乗るように感じます。
ただ、プロキシーファイト(決議権争奪戦)となれば、大株主の意見(=議決権数)も重要です。

●大株主及び持ち株比率                  (H2Oニュースリリース、8/31より抜粋)
①エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社(10.65%)
②関西スーパーマーケット取引先持株会(9.19%)
③オーケー株式会社(7.69%)
④伊藤忠食品株式会社(4.75%)
⑤国分グループ本社株式会社(3.40%)
⑥日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(3.07%)
⑦株式会社かね清(2.66%)
⑧加藤産業株式会社(2.33%)
⑨関西スーパーマーケット従業員持株会(2.27%)
⑩北野裕昭(1.72%) (2020年6月まで相談役)      (抜粋終わり)

関西スーパーの株主構成(H2Oプレスより)を見てますと、オーケー㈱以外の比率合計は40%を超えており、そのうちH2O及び関西スーパー関係者(①②⑨⑩を見ております)で約23%です。
④については、オーケーの株主でもありますが、オーケーの株主には三菱系商社も記載があります。
その点をどのように考えるでしょうか。

関西スーパーのニュースリリースでは、議決権が行使できる株主確定の基準日を9/15(水)とする、とのことです。H2Oの立ち位置から見れば、足りない議決権をどこまで確保できているか(どこまで話を詰め切れているか)が焦点になるでしょう。

結果が出ましたら後追いとケーススタディとして記載してみようと思います。

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