㈱関西スーパーマーケット(以下、関西スーパー)とH2Oリテイリング(以下、H2O)及びオーケー㈱(以下、オーケー)との各株交換による経営統合/TOBについて疑義が発生しています。
10/29にH2O側への経営統合に関する議決権行使にて、極僅差で可決されましたが、その集計に係る疑義を発端に下記のような経緯をたどって現在に至っております。
①.11/8(月)
オーケーより「議決権行使の集計に係る疑義の判明」がプレスリリースされております。
概要的には、「ある株主」の白票(=反対)の1.17%が議決直前に賛成票であることを確認し、2/3以上となる66.68%(従前は65.71%)となったため賛成可決でH2Oとの経営統合が賛成可決された、とのことです。
また、「11/5に総会監査役より議決の経過について特に留意すべき事項があるとのことでその行使集計の経緯についての報告が裁判所へ提出された、とのことです。」(以上、抜粋)との記載があります。
②.11/9(火)
両社からプレスリリースがありました。
関西スーパーからは疑義を否定するものが出され、オーケーの先日のプレスリリースを「著しく不適切かつミスリーディング」と表現しております。
オーケーからは、疑義に関して司法判断を仰ぐことを目的に各株式交換の差し止めを求める仮処分申し立てを行った、とのものが出されております。
③.11/11(木)、12(金)
関西スーパーが11(木)にオーケーから裁判所へ各株式交換の差し止めを求める処分がなされたこと、12(金)に改めて手順が適合していることについての強調(及びオーケーのミスリーディングである旨)を趣旨としたプレスリリースがなされております。
後者では、臨時株主総会の際の白票が賛成票となった経過が、時間を併記して説明されております。
④.11/17(水)
両社からプレスリリースがありました。
関西スーパーからは、オーケーより15(月)に改めて各株交換差し止めを求める仮処分申し立てがあった旨のリリースでした。
オーケーからのものは、裁判所判断が行われる以後経緯の見通し、及び裁判判決による自社の行動について説明されております。
→「各株式交換が12/1に行われるので、それまでに決着がつく想定」と記載されております。
⑤11/22(月)
神戸地裁が「決議の方法に法令違反、または著しい不公正がある」として差止め仮処分を認めました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211122/2000054163.html
これにより、12/1(水)予定の各株交換が一旦差し止められ、また、④に記載があったオーケーのTOB:2,250円提案が改めて行われる、と考えられます。
関西スーパーは即日、保全異議申立てを行う旨のプレスリリースを出しました。
裁判所が認めたことにより、次の争議の焦点がどの点になるかが気になります。
「ある株主」の本意を正として扱うのか、またはルールに乗っ取って白票=反対票扱いとなり反対否決となるか…産経新聞の記載については、申し出た時間経過の差異の指摘はしているものの、特定の株主が確認を申し出たことは事実であることも伝えております。
→https://news.yahoo.co.jp/articles/536aedeae47fd0d680ac6fb34136905c7afa3be9
→https://www.sankei.com/article/20211118-A7A66LQIQJOUTLC6C3DNLE7MAQ/
今一度仕切り直しとなったこの件、どのような幕引きとなるか…
22(月)終値は1,504円。臨時株主総会から②を経て、激しく乱高下しております。
明日の始値も含め、引き続き動向を見ていきたいと思います。
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